作業の流れ : コメントつきのゲームの原版の作成
コメントつきのゲームの原版を迅速に読みやすいように作ることは、つまらないことではありません。 このworkflow作業の流れを使うと、典型的な例でコメントつきゲームの8ページ(A5版)の原版を作るのに2時間かかります。もし納得できる程度に注意深くやれば、結果は本の中のベストのゲーム解説と比肩します。bulletin5_web.pdf (PDF, 5MB) の中のコメントつきゲームはこのworkflow を使ってできました。
この作業は印刷品質PDFを作るために、scribus (1.3.7) とgowrite (2.3.31) を使っています。
GOWriteは作業 の中でEPSファイルを作ります。そして、scribusがこれらのEPSファイルに繋がっています。これらの古いバージョンのプログラムはこの作業をうまくサポートしていませんでした。別のツールを利用すると多分何らかの方向に作業を変えるでしょう。
主な目的
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明快な、曖昧でない、かつ読みやすいコメント文を持ちます。
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ヨセを除いて、一枚の図で100手を超えない棋譜です。
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コメントは、コメントされた手の棋譜と別のページにあります。
- コメントは、盤に石を並べなくても、読み、理解できなければなりません。コウ争いは実際に難しいかもしれません。
- たとえ棋譜に番号がついていても、どの棋譜をどのコメントが説明しているか、直観的に適度に明快であるべきであります。
- 実際のゲームの一つの棋譜にはひとつの名前がつきます。そして代替的な検討手順には別の名前がつきます。
元となる材料データ
普通原材料はコメントつきのSGF形式のゲームです。SGFは、実際のゲームを主なものとして持ち、かつ、コメント文、盤の文字、複数の変化を持っています。コメント文は手の番号、盤の中の文字、あるいは座標によって、手および盤上の位置について述べます。
必要な修正
コメント文の脈絡と変化が明快にされるべきであります。SGFのコメントは読者が正確に該当する盤上の位置を見ていることを前提とします。しかし、印刷物ではこれは当たりません。
SGFのテキストは、暗黙のうちに、通常それが加えられた碁盤の位置について述べています。しかし、印刷されたゲームの評論では、この立場は、SGFを見ている人の立場と同じではありません。以下に、コメント文および盤上の文字に必要とされる典型的な修正点を挙げます。
ひとつの棋譜の中に複数のコメントがあり、同じ文字がよく存在しています。普通は、これを避けるためには、ラベルの変更が必要です。また、ラベルのいくつかがよくゲーム図の中で、いくつかの手でカバーされています。従って、コメント文の変更が必要になります。
作業の流れ
EGC 2010大会会報で行われたとおりの作業の流れは以下のとおりです。作業の流れは主に多重の繰り返しを回避します。
初期作業
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ゲームに最初の図をつけます(ウィザードを使う)。
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最大手数は50に設定されています。
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GOWriteに検討譜領域を予想させます。
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検討譜では手の番号を1から始まるようにすべきです。 -書き出しする棋譜を確認するのが容易なように、棋譜につける書き出しファイル名 (export
name)を編集してください。現在、これは手作業ですが、将来はウィザードでできるでしょう。
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最大手数は50に設定されています。
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Viewing の選択オプション“Show Move before variation”が選択されているか、チェックしてください。
- HTMLコメントファイルとEPS グラフィックスファイルを望む棋譜の書き出しフィルダー作成するために全てを書き出してください。この後にSGFのコメント文は修正できません。コメント文はscribusの中だけで修正されます。
- HTMLからscribus テキストフレームにコメントをコピーしてください。ゲーム開始文を適切な内容と形式に編集してください。ここでコメント文に望ましい形式変更をすることも可能です。
棋譜の追加
- Scribusの中に最初の棋譜を正しい位置に追加してください。EPS図をグラフィックスフレームに追加すべきです。このようにscribusファイルはグラフィックスを埋め込みませんが、EPSファイルにリンクします。
- Scribus の中で最初の検討譜を正しい位置に追加してください。検討譜が盤の区域の適当な部分を含んでいることをチェックしてください。良い領域とは検討手順のコメントによって決まることに注意してください。
- 一連のコメント文と図が第一ページをきれいに埋めるまで、scribusの中に検討譜を付け足してください。読みやすさが向上するように、十分な空白スペースを残すことを忘れないようにしてください。
- 今度は、第一ページのコメントが第一図に繋がるように、残りのコメントが第一図に入らないように次の図を移動してください。これはGOWrite の手のツリーの中でドラッグアンドドロップを使ってできます。だから図の削除と再クリエートの必要はありません。
- gowriteの変更後は、全てのアップデイトEPSファイルを更新するためにエクスポートを行います。 Scribusは数秒以内に自動的にアップデートが行われます。
- Scribusの次のページを処理するために第2ゲームの図に進みます。
コメント文の完成
- コメント文と検討手順がscribusにあるなら、コメント文の処理を始めてください。
- 検討譜とコメント文が正しい順番になっているか、チェックしてください。
- どのゲームの手に各検討手順が対応しているか明らかであることを検証してください。不明な点を明らかにするようにテキストを校正してください。
- 検討手順にいくつものコメントを含んでいる場合、全てのケースで変化に言及していること、そして当該ゲームの手に言及しないことを確認してください。
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どのようにコメントが手と碁盤の位置について述べているかチェックしてください。典型的な変更(順には意味がない。)
- 手に関する座標あるいは文字を修正します。
- 各図で各文字が唯一回だけ使われているか、文字が順番に使われているかチェックしてください。 何か問題を正すために、SGF と scribus のコメント文の中の文字を修正してください。混乱を起こさないように全てを十分頻繁にファイルに書き出してください。
- ある手を参照するために、手で隠されたラベルへの参照を修正してください。
- 。接近している複数の位置で同じラベルが使われているなら、はっきり分かるように ”A ( 図5 ) ” のように、図の名前をつけると良いです。
- まれなケースとして、コメント文の変更によってテキストの長さが大変長くなって、ページの分け目が変わることがあります。
TIPS 技術情報
GOWriteは(2.3.31以降)図に空のマージンを追加することができます。 そのテキストが(検討譜)の棋譜の周りにきれいに流れるように、これらの余白を調整します。この方法は、通常のscribusのダイアグラムで図を作る必要はありません。
ScribusのPDF書き出し(export)で、(実験的な)”Export PDF and EPS as such” [CHECK]を選んでください。これは小さなベクターグラフィックス図をPDFの中で作リます。